ジャズとクラシックでは、クラリネットの音が全然違って聞こえますね。

 

ジャズにはジャズらしい音色、クラシックにはクラシックらしい音色があります。

 

それぞれの曲調を生かすための方法をいくつかまとめました。

 

ジャズとクラシックの違い

ジャズとクラシックって、曲のイメージが全然違いますよね。

 

  • ジャズはノリを楽しむ感じ
  • クラシックは正統派でマジメな感じ

 

このように、正反対のイメージを持っている人が多いと思います。

 

でも実際には、ジャズはこうで、クラシックはこう・・・
といったように、ジャズとクラシックでクラリネットの演奏方法が決まっているわけではありません。

 

大切なのは、「その曲をどう演奏するのがベストなのか」ということ。

 

曲のイメージに合わせて吹いた結果、ジャズの曲は「ジャズっぽい吹き方」、クラシックの曲は「クラシックっぽい吹き方」になっているだけなのです。

 

 

 

ジャズの場合

 

譜面通りに演奏されないことが多いです。

 

譜面に書かれている通りキチンと演奏するのではなく、アレンジを加えたり、キーやテンポを変えてみたり・・・

 

その時々で、演奏者とお客さんが一体になって楽しめるような演奏が求められます。

 

奏者1人1人が個性を出して演奏するので、毎回どんな曲に仕上がるのかが分からないというドキドキ感がありますね。

 

クラシックの場合

 

譜面に書かれていることを忠実に演奏するのが普通です。

 

他の楽器との調和をはかりながら演奏するので、ジャズとは違ってコントロールした音色の美しさがあります。

 

ジャズの場合、演奏者やお客さんの「雰囲気重視」みたいなところがあります。

 

クラシックは「作曲者が意図したものを忠実に演奏する」ことのほうが重視されます。

 

ジャズとクラシックでは重視するものが違うので、奏法や使用する道具も違います。

 

それによって、音色もぜんぜん違って聞こえるというわけです。

 

 

音色を使い分ける3つの方法

どうせ演奏するならジャズはジャズらしく、クラシックはクラシックらしく演奏してみたいもの。

 

クラリネットの音色を使い分ける3つの方法をまとめました。

 

アンブシュアの意識を変える

ジャズの場合は、少しルーズなアンブシュアで演奏されることが多いです。

 

アンブシュアをゆるめにすると、リードの振動に幅が出て音色に個性や遊び心を出しやすくなります。

 

息のスピードを少し落として、息の通り道をクラシックの時よりも広めに確保するようなイメージです。

 

ただし、アンブシュアが安定しない分、音程も不安定になりやすいです。

 

一方、クラシックは低音から高音まで安定した音色が求められます。

 

そのため、ジャズと比べるとかためのアンブシュアで音色もカチッとしています。

 

でも、「ジャズっぽい音を出す=アンブシュアは適当でいい」ということではありません。

 

初心者のうちは、基本のアンブシュアも安定していないことがほとんど。

 

基本形が分かっていない状態でルーズなアンブシュアを意識するのはおすすめできません。

 

アンブシュアに変な癖がついてしまう可能性があるからです。

 

まずはクラシックで基本のアンブシュアの形をマスターしてから、アンブシュアを変化させてジャズっぽさを楽しんでみるといいかもしれませんね。

 

マウスピースやリードのセッティング、バレルの交換で音色の違いを楽しむのもいいでしょう。

 

 

セッティングを変えてみよう

マウスピースやリードのセッティングで変わるのは、吹奏感や抵抗感。バレルの交換ほど音色は変わりません。

 

実際にジャズクラリネットを演奏している人の「マウスピースとリードのセッティング例」をいくつがご紹介します。

 

マウスピースとリードのセッティング例

 

マウスピース

リード

バンドレン 5JBプロファイル88

マーカー2

マウスピース

リード

バンドレン B45スタンダード

ラ・ボーズ MH

マウスピース

リード

チャールズベイM-M

ゴンザレス青2 1/2

マウスピース

リード

セルマーC85 120

リコレゼルヴ3番(結構削る)

 

※もともとクラシックでクラリネットを吹いていて、ジャズを演奏する場合です。

 

ジャズサックスからの持ち替えは想定していません。

 

「低音から中音は深みのある音」、「高音はジャズっぽいかすれた音色」といったように、求める音色によってセッティングやリードの厚みは変わります。

 

ジャズを吹く場合は、音の安定感や重厚感より音のパワフルさや鳴りやすさを重視したセッティングをする奏者が多いようです。

 

クラリネットはジャズサックスなどのように「このセッティングがベスト!」というハッキリした基準がありません。

 

でも、セッティングの正解がないからこそ、自分なりの音色を見つける楽しみがあるともいえますね。

 

バレルで音色が変わる

マウスピースの下にある少し膨らんだところにあるのがバレルで、英語で「樽」を意味します。

 

バレルそのものを変えると、音色が大きく変わります。

 

音色が変化する=良いこととは限らないのですが、ジャズっぽく吹くために音色を変えてみたいという人は、思い切ってバレルを交換するのもおすすめです。

 

バレル単体で売っているメーカーは、「BACKUN」や「Buffet Crampon」などで、予算的には2万〜4万円といったところ。

 

決して安い買い物ではないので、通販などで購入するのではなく実際に吹いてみて購入するようにしてください。

 

ちなみに、クラリネットを買うと、長さの違う交換用バレルがセットで入っていることもあります。

 

ジャズを吹くときには、短い方のバレル(ショートバレル)を使ってみてください。音程がやや下がるので、ジャズっぽい感じを出しやすくなります。

 

 

赤丸で囲ったところがバレルです。

 

 

 

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