有名なあの童謡のクラリネットが壊れちゃったの秘密とは?
誰でも一度は耳にしたことのある有名な童謡「クラリネットをこわしちゃった」。
パパからもらった大切なクラリネットを壊してしまって困っている子どもが目に浮かぶような歌詞ですよね。
でも実は、クラリネットは壊れていなかったという説があります。
クラリネットは音が出なかっただけ?
以下は、クラリネットをこわしちゃったの前半部分の歌詞
「クラリネットをこわしちゃった」作詞:石井好子、作曲:フランス童謡曲
ぼくの だいすきな クラリネット
パパからもらった クラリネット
とっても大事に してたのに
こわれて出ない 音がある
どうしよう どうしよう
オ パキャマラド
パキャマラド パオパオ
パンパンパン
オ パキャマラド
パキャマラド パオパオパ
ドとレとミの音が出ない
ドとレとミの音が出ない
とっても大事に してたのに
こわれて出ない 音がある
※参考:クラリネットをこわしちゃった
クラリネットは、リードとマウスピースの中に息を吹き込むことで、リードを振動させて音を出します。
クラリネット経験者の方ならわかると思いますが、単に音を出すだけ、ということが初心者の時にはとても難しいのです。
さて、この童謡の歌詞だけ見ると、クラリネットが壊れてしまって音が出なくなったように思えますね。
けれども実は、吹いている子どもが音を上手に出せていないだけ、という説があります。
つまり、まだクラリネットを吹いたことのない子どもが、お父さんにもらったクラリネットを吹いてみたけれど、音が出なかったということ。
子ども用のラッパやリコーダーなんかは、口に当てて息を吹き込めば音が鳴ります。
でも、クラリネットはそうはいきません。
そのため、いつものおもちゃと同じ感覚で吹いた子どもが「壊しちゃったから鳴らないんだ!」と慌てたのかもしれないというのです。
仮にクラリネットが壊れていたとして、ド、レ、ミのつながった音が3つとも急に出なくなるというのはめったにないこと。
さらに2番に続く歌詞では、ドレミに加えてファ、ソ、ラ、シの4つの音も出ないと言っています。
つまり、ドレミファソラシの音階全てが出ないというわけです。
クラリネットのパーツがゆるんでいたり、タンポが消耗していたりして、音が出にくくなったり空気が入ったような音になるという程度のことはありますが、音が出ないというのは考えにくいです。
クラリネット経験者の方なら、壊れてドレミファソラシが全て出なくなったという説よりも、上手に吹けなくてドレミファソラシが出ないという説の方がしっくりくるのではないでしょうか。
オ パキャマラドって何?
「どうしよう、どうしよう」と子どもが慌てた後に続くのが「オ パキャマラド」という歌詞。
なんとなく、慌てて困っている様子を連想するようなリズムですね。
実は、オ パキャマラドはフランス語です。
童謡を和訳する際に、言葉の響きが面白かったために、その部分はフランス語をそのまま使用したと言われています。
ちなみに、オ パキャマラドはフランス語で「Au pas, camarade」。Au pasは「規則正しくステップを踏む」という意味、camaradeは「仲間、同志」です。
「足並みをそろえて行進して」とか「リズムに合わせて」というように解釈されていることが多いですね。
クラリネットと行進、どんな関係があるの?と思われた人もいるかもしれませんが、「クラリネットをこわしちゃった」は、もともとはクラリネットとは無関係で、戦場の行進曲だったと言われています。
この曲の発祥地はフランスだという説が有力ですが、明確な証拠などはなく、不明なところも多いというのが現状。
その原曲がポルトガル、スペイン、スウェーデン、日本などに広まり、それぞれの国で訳して広まっているというわけです。
「クラリネットをこわしちゃった」、が実は壊れていなかったという説。豆知識として友達や家族に話してみても面白いかもしれませんね。
