クラリネットは、「持ち替え楽器」として使われることがあります。

 

特にスイング・ジャズの時代の譜面では、サックスからクラリネットへの持ち替えが指定されていることが多いですよね。

 

でも、サックスとクラリネットは、吹き方は似ていても運指や構造は違います。

 

サックス奏者がクラリネットを持ち替え楽器として吹く場合の注意点や、ポイントについてまとめました。

 

楽器の向きとアンブシュア

ジャズは、演奏者の表現力が重視される音楽なので、音に表情を持たせるためにわざとルーズなアンブシュアでサックスを吹く奏者は多いと思いです。

 

そのほうが、リードの振動が豊かになって自分らしい音が出せるからです。

 

でも、ルーズなアンブシュアのままでは、クラリネットを良い音で鳴らすことはできません。

 

ジャズの演奏でクラリネットに持ち替えた時は、以下の2つの点に注意しましょう。

 

 

 

楽器の向きと吹く姿勢

 

楽器を下に向ける

 

下唇を少しだけ内側に巻き込む

 

サックスを構える角度と、クラリネットを構える角度は違います。

 

ジャズを演奏しているときのサックス奏者を横から見ると、マウスピースと下あごの角度はほぼ垂直ですが、クラリネットを構えるときの目安は30度です。

 

 

サックスを吹いていたときの感覚でクラリネットを構えてしまうと、クラリネットの音程が不安定になってしまいます。

 

とはいえ、持ち替えの時にいちいち角度を気にしている余裕はありません。

 

「サックスを吹くときよりも、楽器を下に向ける」という風に意識するといいでしょう。

 

もう1つ気を付けてほしいのが、アンブシュアです。

 

アンブシュア

サックスでジャズを演奏している人はルーズなアンブシュアのことが多いのですが、このままのアンブシュアでクラリネットを吹くと音がだらしなく聞こえてしまいます。

 

クラリネットに持ち替えた時は、下唇を少し内側に巻き込んでください。この時、下顎を強くかんでしまうのはNGです。

 

下顎に少しだけ力を入れて、下顎でマウスピースを支えるようなイメージでアンブシュアを安定させるのがポイントです。

 

実は、サックス奏者の中には、ルーズなアンブシュアを矯正するためにクラリネットを吹く人も少なくありません。

 

クラリネットは、アンブシュアが安定していないとまともな音が出ないからです。

 

持ち替えた後にクラリネットの音程が安定しないときは、アンブシュアを見直してみましょう。

 

参考ページ:音を安定させよう!クラリネットのアンブシュア3つのコツ

 

全然違う!サックスとクラリネット運指

楽器の吹き方が似ているので運指も似ているのでは・・・
と思いがちですが、実はサックスとクラリネットは運指が違います。

 

サックスには音程がオクターブ上がる「オクターブキー」がありますが、クラリネットにはそれと同じような場所に「レジスターキー」がついています。

 

レジスターキーというのは、音程がオクターブ半上がるキーです。

 

音域が広いといわれているクラリネットですが、このレジスターキーがあるおかげで3オクターブもの音域を出すことができます。(サックスは2オクターブまで)

 

クラリネットを演奏するときはレジスターキーの切り替えが重要になります。

 

最初は小指がつりそうになるかもしれませんが、レジスターキー付近の運指がなめらかになるようにしっかり練習しておきましょう。

 

 

マウスピースとリードのセッティング

ジャズを演奏するサックス奏者は、ジャズに合ったパワフルな音を出すために薄めのリードを使ったり、オープニングが広いマウスピースをセッティングしていることが多いと思います。

 

でも、サックスのような曲調に合わせたセッティングは、クラリネットでは基本的に必要ありません。

 

クラリネットにこのようなセッティングをすると、クラリネットらしい温かみのある音が出ず、明るすぎる音色になってしまいます。

 

サックスとの音色のバランスは、リードでとるようにしましょう。

 

クラリネット初心者は吹きやすさ重視で、バンドレンの「青箱2」もしくは「青箱21/2(ニイハン)」などやや薄いリードを使って練習することが多いと思います。

 

でも、サックスの持ち替え楽器として使うのなら、「青箱3」もしくは「青箱31/3」など厚みのあるリードがおすすめです。

 

サックスやクラリネットをバラバラに練習するだけでなく、サックスからクラリネットへ持ち替えた時の音色のバランスも確認しておきましょう。

 

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